日吉君の隣の席の彼女
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俺たちの本業は学生。つまり、勉強をするのが仕事だ。
そして今日からテスト期間に入るため部活は休み。1週間後のテストに向けて勉強をする。
「日吉君、休み時間も勉強?」
「あぁ」
「休み時間くらい脳を休ませなよ」
隣の席の服部はそう言って微笑んだ。
彼女の言うことも一理あるので俺は教科書を読むのをやめた。
「お前は余裕そうだな」
「そんなことない。古典は苦手な方」
「それにしては、前回良い順位だったな」
前回、服部は俺よりかなり良い成績だった。確か10位以内に入っていたような気がする。
「今回はもっと良いよ」
「かなりの自信だな」
「だって、日曜日に柳さんが教えてくれるから」
なるほど。恋の力か。
柳さんは頭も良いし、教え方も上手そうだ。
そして、服部の恋が上手くいっているようで良かった。
「あと日吉君、数学を教えてほしい」
「それも柳さんに教えてもらえばいいじゃないか」
「それもそうだけど、苦手なところは早めに対処しておきたいから」
「いい心がけだな」
そんな感じで喋っていると、ふいに放送が入った。
『テニス部レギュラーは昼休み、部室に集まれ。以上だ!』
絶対、嫌なことがありそうだ。俺は深く溜息をついた。