魔王、天使に恋する

□魔王、天使に出会う
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「うちのクラスに転校生が来ます」


担任の言ったこの言葉に、ジャッカルが引くと思っていた貧乏くじを俺が引いたことがわかった。


「直木実子です。よろしくお願いします」

「席は柳の隣だ」


何故、俺が貧乏くじを引いたのか。

それは一昨日の部活でのことだ。










「精市、機嫌が良さそうだな」

「ああ。今日は朝からとても良い事があったんだ」


その日は土曜日。

立海大付属中学テニス部。全国3連覇をかけて現在、絶賛練習中。


「ほーら、皆頑張って!」

「「「「「お、おー……」」」」」

「よし、気分が乗ってきた。10周追加!」

「「「「「…お、おー……」」」」」


ちなみに今は182周目。最初は30周だけだったのだが、



『清々しいな。30周追加しよう!』

『皆、これだけでへばってどうする。20周追加だ!』

『皆で走ると楽しいね。あと30周!』



と、積りに積り、先ほどの追加で200周走る事となった。

だがそれだけで終わる事もなく、解放されたのは250周走り終わった頃だった。
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