魔王、天使に恋する

□魔王、天使と再会する
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『天使さんは柳のクラスになったんだよね』

『ああ』

『明日だけ柳は別メニューね』


それは天使がやってきた日、午後の部活が始まる前の俺と魔王の会話だった。










現在、朝練の時間。


「ハァ、ハァ、ハァ……」


俺は今走っている。けしてなにか性的なものに興奮して呼吸を乱しているわけではない。


「柳、スピード落ちてきているよ。10周追加ね」


魔王、ではなく部長の幸村の言葉はある意味絶対だ。


「なんで柳は走らされてるんだ?」

「例の女子が柳のクラスになったんだよ」


丸井とジャッカルの声が聞こえる。


「柳君も災難ですね」

「幸村の嫉妬は地味にきついナリ」


柳生と仁王の声が聞こえる。


「赤也、また遅刻するとはたるんどる!」

「すんませんっ、副部長!」


真田と赤也の声が聞こえる。


「柳、考え事とは余裕だね。あと20周追加しよう」


幸村の声が聞こえた。あまり聞きたくなかった。
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