魔王、天使に恋する
□魔王、天使を仲間にした
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直木が男子テニス部のマネージャーになることを決めた。が、その日の授業後は立海の制服や教材の購入などで忙しいらしく部活には出られなかった。
そのため次の日の朝からマネージャーとして紹介されることとなった。
「直木実子です。皆さんのお役に立てるよう頑張ります!」
(((((……可愛い〜)))))
笑顔と共にされる自己紹介は多くの部員の心を鷲掴みにしただろう。あの真田でさえも少し頬を紅潮させている。気持ちわ……何でもない。
だが、忘れてはいけない。彼女は魔王・幸村に目を付けられた天使なのだから。
「今日、俺は直木さんにマネージャー業を教えるから、皆は真田の指示に従うこと」
「「「「「はいっ!」」」」」
というわけで、まずは走り込みから。
「それにしてもよ〜」
「どうしたんじゃ、丸井」
仁王の問いに丸井は一瞬だけ視線を別の方向に向けてから戻した。
「……似てるよな」
「……それは俺も思っとった」
今度は2人して先ほどの方向へ顔ごと向ける。そこには幸村と直木の姿が。
「丸井っ、仁王っ!よそ見をするなどたるんどるっ!」
「だってよぃ、真田」
「あんな可愛い子見たんじゃ。見るなと言われても無理じゃろ」
それに真田も彼女を見とれとったじゃろ?と仁王が付け加えて言うと、真田はもう一度たるんどる!と言って先頭の方へ行ってしまった。