魔王、天使に恋する
□魔王、天使に癒される
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直木実子が立海男子テニス部マネージャーになってから1週間が経った。学校生活にも慣れ、充実した日々を過ごしているようだ……。
「Zzz……」
……現在は授業中。このイビキは俺の隣の席から聞こえてくる。
「……柳」
「はい」
「直木を起こしなさい」
隣を見れば気持ちよさそうに眠る直木の姿が……。
どうやら充実した日々を過ごしてはいるようだが、マネージャーとしてはまだ慣れていないのかもしれない。朝練のときもアクビをたくさんしていたな。
「……ん、むぅ……」
……天使が寝ている。
「先生、起こせません」
「何、馬鹿なこと言ってるんだ?」
「だったら、先生が起こしてください」
俺の一言に先生は少しイラッとしたようだが、こちらの方まで来て直木の顔を見た。
「……天使だ」
その寝顔は愛らしく自然に癒しのオーラを放っていた。周りの人の心が和み、自然と笑顔になる。
その後、先生は保健室から毛布を持ってきて直木の肩に掛けていた。