魔王、天使に恋する
□魔王、天使に………
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そんな2人を遠くで見ている幸村を除いたレギュラー勢。
「それにしても幸村の直木への依存っぷりは凄いな」
「そーだな。俺なんて……」
ジャッカルの言ったことに共感した丸井が、ベンチから離れているのをいいことに話し始めた。
「実子に俺の菓子あげたんだよ。あーん、って口開くから食べさせたんだよな。そしたら後日……」
『丸井、これあげるよ』
『お、ケーキじゃん!いいのか?』
『うん』
「それを食ったら腹が痛くなってよ〜。トイレから出られねぇ……実は大量の下剤入りケーキだったんだよな」
「そう言う話だったら俺もありますよ」
思い出しただけでも気分が悪くなった丸井。
そしてその話を聞いた赤也も自分の話をし始めた。
「実子先輩って俺のこと“弟”っていってよく抱きついてくるんっスよ。幸村部長、それに嫉妬したんでしょうね……」
『赤也、俺も赤也のこと弟って思ってるよ』
『そ、そうっスか』
『だから、俺も抱きついていいよね……?』
「凄ぇ力込められて抱きしめられて、お花畑と川が見えたっスよ……」
どこか遠くを見ながら赤也は語った。死の淵をさまよったことを思い出しているのだろう。