呆れるほどの愛を、キミに
□もはやストーカー
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朝。
「行ってきまーす」
靴を履いて玄関の扉を開ける。母さんが家にいるので鍵はしなくてもよい。外の空気を吸いながら、今日もそれなりに頑張ろうと、門を出た時だ。
カシャ、カシャ、カシャ
閑静な住宅街にカメラの音がした。実はこの音、昨日も一昨日もしている。
最初は不審に思ったが、今は何とも思わない。
私は少し早めに歩を進めることにした。
「あ、黒子ちゃんや」
「他の奴なんか見んなや、小春!」
「もうユウ君たら嫉妬しないの」
「おはよう、2人とも。今日もラブラブだね。目を逸らしたいぐらいだよ」
歩くスピードを緩め、2人と一緒に学校へ行くことにした。一氏の方は先行けや的な目で私を見てたけど無視した。
「嫌やわ、黒子ちゃん。黒子ちゃんかて白石とラブラブやない?」
「どこをどう見たら?」
「白石が黒子ちゃんに抱きつこうとして、それが恥ずかしくてケン坊の後ろに隠れとるんやろ?」
ありえない。
「小春、俺には黒子がただ単に嫌がって、小石川に助けを求めとるようにしか見えへんかったけど」
「ユウ君、乙女心がわかってへんなぁ」
わかってないのは小春ちゃんの方だよ。
「そうか。まぁ、小春が言うんなら2人はラブラブということか」
「そういうこと」
「どういうことだよ。てか、一氏も納得しないでよ」