呆れるほどの愛を、キミに
□アピール大作戦!
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「白石の彼女?」
「そやで、金ちゃん」
「違うって」
金ちゃんという少年を捕まえた白石は、部室で私の紹介+お説教をし始めた。
「金ちゃん、あまりそういうことは大声で言っちゃあかんで」
「何でなん?」
「どうしてもや……言うこと聞けへんかったら……」
白石が左手をスッと金ちゃんに見せつけるように出すと、金ちゃんは急に脅えだした。
「嫌や!毒手だけは嫌や〜!」
毒手……聞きなれない言葉に私は首を傾げた。
「わかったから毒手だけは勘弁してぇなぁ!」
着ているTシャツを掴まれながら涙目で私の後ろに隠れる金ちゃん。その姿に私の中の母性本能がくすぐられる。
そして気づいたときには、私は金ちゃんを抱きしめていた。
「な!?」
「なんや、姉ちゃん……」
「ごめん、つい……可愛くて」
キョトンとする表情の金ちゃんを見て、抱きしめる力を強めそうになる。
「黒子……」
ふと名前を呼ばれ顔を上げれば、両手を拳にしプルプルと震わせる白石の姿が。表情は何やら泣きそうである。
「黒子のアホっ!ショタコンっ!」
そう言って白石は再び、部室を出て走ってどこかに行ってしまった。