呆れるほどの愛を、キミに
□結ばれますか
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「黒子なんか……黒子なんか……」
「だから、ごめんって言ってるじゃん」
部活が終了し、私は白石と一緒に帰っている。
「だからって、俺のカッコええとこ見ずに、オサムちゃん、オサムちゃんって」
「だって、私、オサムちゃんに滅多に会えないんだもん!」
「だったら、テニス部のマネージャーになればええやん」
「ファン、怖い」
白石とか財前とか、なんであんなにファンがいるんだよ。しかもガラ悪い奴もいるから、目つけられると、今日みたいに水ぶっかけられるんだよね。
「そういえば、今日のことなんやけど……」
何かを思い出したかのように、白石が口を開いた。
「黒子に水かけた犯人、捕まえてお灸据えといたからな。もう安心しぃ」
白石が金ちゃんコスプレセットに着替える前に、犯人の女子達を捕えたらしい。白石曰く、もう2度と近づいてこないだとか。
「白石はよかったの?自分のファンなのに」
「俺には黒子がいればそれでええし」
サラッと恥ずかしいセリフを平然と言う彼に対し、慣れない言葉に顔が赤く熱くなる私。
恥ずかしさ故に話題を変えたいが、何を話せばいいのか分からない。