呆れるほどの愛を、キミに
□嫉妬の嵐
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「黒子は俺のことが嫌いなん?」
「いや、好きだけど……」
「“けど”ってなんや!?好きなら好きってはっきり言うて!」
「好きだよ、白石のこと、一番」
ふと小石川を見れば、イチャつくんなら他でやれよ的な目でこちらを見ていた。
なんか、ごめんなさい。恋人のいない君には酷なことだね。
「ホンマに俺が一番なんやな。それ聞いて安心したわ」
「うん、だから放して?皆の前だから恥ずかしい……」
「あ、そやな」
クラスのほとんどが私たちを見ている。中にはもてはやす輩もいる。
白石は渋々放してくれた。
「ケン坊、あんま黒子と喋らんで。手出さんといて」
「わかっとるわ」
「絶対やで!」
そう言って再び白石は去っていった。完全に気配がなくなった頃に、私は大きな溜息をついた。
「前言撤回、大変そうやな」
「まあね……」
白石の嫉妬は度を超えている。
私が男子と喋っていると必ずと言っていいほど現れ、女子とふざけて抱き合っていても、中に割って入ったりする。
特に嫌だったのが、オサムちゃんとただ喋っていたときに、泣きながら「俺を捨てんといて〜!」と叫ばれた。
正直言おう、面倒臭い。
「そりゃ、他の男子といたら心配になるのはわかるけど、少しは信じてほしいな」
「それは本人に言わんと」
「言ったよ。けど、奴は……」