CHARM

□SCARLET
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「お見合い、ですか」

「あぁ、そうだ」


夕食を終えようとしたとき、父がふと思い出したかのように言った。

久しぶりに日本に帰ってきた父とこうして一緒に食事をするのも久しぶりだ。だが、見合いさせるのが本来の目的であるのは目に見えていた。


「景吾、お前も15歳だ。もう相手がいてもおかしくない歳だ」

「父上もその頃に母上と?」

「いや、その前に2度ほど見合いはした。まぁ、性格の不一致が目立って破局したがな」


昔の話を笑いながらする父に、俺は自分の思いを言おうとした。だが、その直前で遮られた。


「実は何人かの奴に声をかけておいた……悪いが、写真を持ってきてくれ」


父は近くにいた執事に言い、俺のもとへ軽く十は超える見合い写真を渡した。一応、目に通していく。


「15人ほど声をかけた。返ってきたのが13枚。1人は断り、1人はもうすでに相手がいるそうだ」


父の言葉に耳を傾けながら、簡単に見合い写真を見ていく。そこに写っているのは器量よさそうな御息女ばかり。それでも所詮はその辺にいる女とほとんど変わらないだろう。

俺は全て見終わり、写真を置いた。それを見て父が口を開く。


「で、気にいった方はいたか?」

「……この中にはいません」

「“この中”ということは、他に誰かいるのか?」
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