CHARM

□SCARLET
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あえて含みがあるように言えば、やはり簡単に気付かれた。

当然の如く、“跡部”とつり合えるくらいの女じゃないといけないことはわかっている。


「父上が言いたいことはわかっています。安心してください。父上も知った方です。それより……」


俺は父にある質問をした。父は何故そんなことを聞くのかと不思議そうな顔をしていたが、すんなりと答えてくれた。



それから、部活がない日になり、俺はとある学校に来ていた。時間は帰宅時間。

門の前で待っていれば、近くを通る女1人1人が俺を見るたび顔を赤くしていく。


「あの方、跡部財閥の方じゃない?」

「確か……跡部景吾さん!」

「素敵な方ですねぇ」


ここの学校は所謂お嬢様の通う学校。みんな慎ましく振舞っているが、俺から見ればその辺にいる女となんら変わらない。

少々の苛立ちを感じながら、俺はとある1人の女をまち続けた。



「今日の数学は難しかったです〜」



聞いたことのある気の抜けるような声がした。
その方に振り向けば、2人の女が。



「コツさえ掴めば簡単だと思いますよ」

「それはデキる人間が言えることで、デキない私には簡単じゃないんですよ」

「また教えて差し上げますよ……って、あら?」

「ん?」


片方の女が俺に気づき、それを見たもう一人の女も俺に気づいた。
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