CHARM

□MEET
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「血は止まったか?」

「……たぶん、まだです」


鼻の穴にティッシュを丸めて詰めた夕日里の姿は、本当に名家の御令嬢なのか疑わしくもなるほど異様だ。

だが、残念ながら、不覚にも、自分でさえも疑うほど奇妙なことではあるが、俺はこの女のことが好きだ。


「それにしても、まだその病気治してなかったのか」

「ずっと女子校ですからね。異性の魅力を感じないのです」


詰めていたティッシュを別のティッシュに変え、再び鼻の中に入れる。どこまでも滑稽な姿だ。

夕日里は小さいときからとある特殊な病に侵されている……といっても、病というほど大層なことじゃない。

俺が夕日里の病を知ったのは会って2回目の時だ。





『よぉ、久しぶりだな』

『………』


ブフーッ!


『お、おい!大丈夫か!?』

『血、血が……血が、足りません……』

『誰か医者を呼べ!』





“魅力的出血”

夕日里の父親が冗談半分で名付けた病だ。ただ単に興奮からの鼻血だが、それが面白いことに、相手に魅力を感じてしまうと噴出するらしい。

小さい頃は俺と遊んでは病院に行き、輸血の毎日だった。
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