CHARM
□SQUABBLE
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俺にキスされ鼻から大量の出血を出した夕日里は、当然の如く入院し、今日久しぶりに跡部邸へと帰ってきた。
「私、思うのですけど」
「何をだ?」
「もしかしたら、私は若くして出血多量で死ぬのかもしれないです」
「今頃気づいたのか」
そんな会話をしながら、2人でのんびりと俺の部屋で寛いでいた。
俺はこの時間が好きだ。誰にも邪魔されず、愛する女と過ごすこの贅沢な時間が……。
♪そらを自由に、飛びたいな〜
その贅沢な時間をドラ○もんのオープニング曲が邪魔をした。これは夕日里の携帯の着信メロディだ。
「あ、父からです」
夕日里はディスプレイで確認後、通話ボタンを押した。
その後はずっと電話で喋り続けているので、俺は少し寂しい。だが、それが彼女の父親なので我慢はできる。
そして電話が終わり、夕日里が簡単に携帯を操作しはじめた。
「あーっ!!」
「どうした?」
「アドレスが消えてます!」
夕日里が携帯の画面を見せてきた。そこにはアドレス帳の画面が開いており、彼女の御両親と兄、俺の両親、同じクラスの樺地、そして婚約者である俺の名前が写しだされている。
「この前、皆さんから頂いたアドレスも、今までの友達の分もないんです!」
「それならお前が入院している間に、削除しておいた」
「何てことするんですか!?」