CHARM
□PROGRESS
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夕日里との婚約披露パーティから1週間ほど経過した。
婚約披露したからといって、俺達の生活が大きく変わることもない。
いつものようになるべく多くの時間を夕日里と過ごし、良い雰囲気になったらキスをし、彼女が鼻血を出して気を失う……それの繰り返しだ。
ただ、最近は夕日里も慣れてきたのか血の量も少なくなってきており、気を失うことも3回に1回となってきた。
そろそろキスよりも上のステップへ、と思っていたときだった。
「私、実家に帰らせていただきます!」
パリーン
突然、夕日里がそう言ったのでカップを落としてしまい、飲んでいた紅茶で床を汚した。
「景吾くん、カップ落としましたよ。危ないから片づけてもらいましょう」
そう言ってメイドを呼びにいこうとした夕日里の手首を掴んだ。彼女はいきなり掴まれたことに少し驚いたものの、キョトンと首を傾げた。
「何ですか?」
「お、俺の……」
「?」
「俺の……どこが気に入らないんだ!?」
「はい?」
「お前が俺に対して気に入らないところは全部直すよう努力する。だから、俺のことを嫌いにならないでくれ!」
「嫌いじゃないですよ。むしろ、大好きです」
「……は?」
笑顔で言う夕日里に対し、俺は呆けてしまう。そしてこの後に彼女から何故実家に帰るのかを聞いて、俺は穴があったら入りたい状態になった。
「花嫁修業で家に帰ります!」