そして悪魔は笑う

□不吉な予感
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部活動終わりの帰宅途中、神尾は同じ部活仲間の伊武深司とファーストフード店へと寄り道していた。


(橘杏ちゃんかぁ……)


注文したものを食べながら、神尾はとある一人の女生徒のことを思い出していた。


(可愛いかったなぁ……)

「アキラさぁ、何ニヤニヤしてんの?はっきり言って気持ち悪い」

「べ、別にしてねぇよ!」

「いや、してたから。止めてくれない?こっちの食欲が失せるからさぁ……わかったぞ。俺の食欲をなくして、代わりに俺のチーズバーガー食べる気だったんだろ。ったく卑しいなぁ……」

「俺がニヤけただけで、そういう風に考えるお前が卑しいよ」

「冗談はさておき」

「冗談だったのかよ」


伊武は一度咳払いをしてから、言った。


「杏ちゃんのこと考えてただろ」

「な、何言ってるんだよ!俺は別に……」


視線がさまよい、顔が真っ赤になってしまう神尾。これでは否定を述べても肯定しているようなものだ。


「図星か……」

「わ、悪いかよ!いいだろ、ちょっと気になるくらい!」

「別にアキラの勝手だけどさぁ……幼馴染の雪館さんだっけ?彼女はいいの?」

「なんで律歌なんだよ。あいつは関係ねぇだろ」

「2人で手つないで帰って、お守りまで貰って、それでも関係ないっていうんだ……そうか、自分がモテるアピールでもしたいんだろ。そうだよな。雪館さんのような美人と一緒にいて、さぞ鼻が高いんだろうな。別に羨ましくはないけどさぁ……アキラ、ちょっと調子乗ってるよね」

「だから、律歌とはただの幼馴染だ!」
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