僕らの学校
□弟談義
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庭球小学校の授業は各教科にいろいろな先生が担当します。
今日は国語の授業があります。この日の担当は不二周介先生です。
「つぐみ」
「ん、なに?」
声をかけてきたのは、不二先生の弟、裕太くんです。
「保健室に行ってくるって、次の授業の先生に言っといて」
「えっ!?裕太くん大丈夫?具合わるいの?」
「ま、まぁ、大丈夫……かな?」
裕太くんは保健室に行きました。心配だったので、つきそいで行こうかと言ったけど、断られてしまいました。
そして授業が始まるチャイムが鳴り、不二先生がやってきました。
「きりつ!」
日直の石田鉄くんが号令をかけました。
「きをつけ、礼!」
鉄くんは石田銀先生の弟で、いつも頭にタオルをまいています。とてもやさしいです。頭にタオルをまいています。
「あれ、裕太は?」
着席をしてから辺りを見渡した不二先生は、生徒が1人いないことに気づきました。裕太くんが保健室に行ったことを伝えました。
「みんな、静かに待っててね」
そう言って不二先生は教室を出ていきました。
残された私たちは不二先生の言ったことをすぐに忘れて、おしゃべりをはじめました。