僕らの学校
□弟談義
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「裕太くん、大丈夫かなー?」
「体調くずした隊長……プッ」
「………ごめんね、ダビデくん。私、黒羽先生みたいなツッコミできないの」
「む……残念」
天根光くんはみんなから“ダビデ”と呼ばれています。ダジャレをよく言いますが、私にはハードルが高すぎて、よくわかりません。
「裕太はどうせサボりじゃねぇの?」
「かもな。不二先生の授業って前のつづきだろうし」
神尾くんと桃ちゃんが喋っていました。
神尾アキラくんはリズムにのるのが好きだそうです。そんな神尾くんは鬼○郎のようなヘアースタイルをです。
「ま、裕太がサボりたくなるのもわかるけどな」
室町くんが深い意味がありそうなように言いました。
室町十次くんはいつもグラサンをしています。私は外したところを見たことはありません。他のみんなも見たことがないようなので、どんなつぶらな瞳なのか気になります。
それより、裕太くんはサボりじゃありません。体調が悪いだけです。
ガラララッ
再び教室のとびらが開きました。教室に入ってきたのは裕太くんをかついだ不二先生でした。
「降ろせ〜!」
「さぁ、授業を始めようか」
不二先生は裕太くんをイスに座らせたあと、逃げないようにヒモでしばりました。裕太くんは抵抗していましたが、大人と子どもでは、大人の方が力があります。