僕らの学校

□大好きな先生
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庭球小学校の授業は各教科にいろいろな先生が担当します。

今日は図画工作の授業があります。この日の担当は幸村精市先生です。


「今日は人物を描こうと思います」


やさしくほほ笑む幸村先生は私の大好きな先生です。やさしいから給食にでる牛にゅうをときどき私にくれます。

そのことを伊武くんに言ったら


『それさぁ、絶対だまされてるよ。幸村先生は、給食のおかずとかで口の中がいろんな味になったのに、さらに追い打ちをかけるかのように牛にゅうを飲むのが嫌なんだよ……俺だってつくねとか食べた後に牛にゅうとか飲みたくないしね。あれ、新手のごうもんだろ……大人のくせに、ずるいよなぁ……“しょっけんらんよう”じゃないか……』

『“食券らんよう”?幸村先生は食券を買うの?』

『つぐみって本当にざんねんな頭だよね』


と言われました。

伊武くんはひどいことを言ってきましたが、あとから“しょっけんらんよう”の意味を教えてくれました。


『“しょっけんらんよう”っていうのは、自分の立場を利用して、物事を自分につごうの良いようにすること』

『?』

『早い話が全校集会での跡部校長って意味だよ』

『なるほど』


“しょっけんらんよう”=跡部校長先生、と教えてもらい、そのとき私は1つかしこくなりました。




話はもどって、幸村先生は黒板にサラサラと字を書いていきました。


〔テーマ:私の大好きな先生〕


「誰でも好きな先生を描いていいよ。他の子とかぶってもいいから」


大好きな先生かー。だれにしようかな。


「誰を描くか決めた人から、その先生のもとへ行って作業を開始してね。授業が終わる5分前には完成していなくても戻ってくるんだよ」

「「「「「はーい」」」」」
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