僕らの学校

□カブトムシ
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庭球小学校の授業は各教科にいろいろな先生が担当します。

今日は理科の授業があります。この日の担当は柳沢慎也先生です。


「今日は前回のおさらいから始めるだーね」


柳沢先生はアヒルに似ています。だからみんなはアヒル先生ってよんでいます。「〜だーね」が口ぐせです。


「前回は昆虫についてやっただーね。昆虫が卵からどのように育っていくか、わかる人は手を挙げるだーね」

「「「「「はーい!」」」」」

「じゃあ、桃城君。答えるだーね」


柳沢先生に指名された桃ちゃんは元気いっぱいに返事をしてから立ち上がって答えます。

「キャタピー、トランセル、バタフリーです!」

「進化過程はあってるけど、それはポケモンだーね」

「じゃあ、ビードル、コクーン、スピアー」

「それもポケモンだーね!」


昆虫はたまごからよう虫、さなぎ、せい虫になるそうです。


「では、昆虫と言われる虫はどんなのがいるか、わかる人は手を挙げるだーね」

「「「「「はーい!」」」」」

「じゃあ、橘杏さん。答えるだーね」


杏ちゃんは橘先生の妹です。私の親友です。明るく元気で、神尾くんは杏ちゃんのことが好きだそうです。


「カブトムシです」

「その通り!カブトムシは昆虫だーね」


柳沢先生は黒板に“カブトムシ”と書きました。


「他に昆虫は何がいるか、わかる人?」

「「「「「はーい!」」」」」


次に指名されたのは神尾くんでした。神尾くんは元気いっぱい立ち上がって答えます。


「コーカサスオオカブト!」

「それはカブトムシの種類だーね」


答えは当たっているようですが、ちがうみたいです。

次に指名されたのは赤也くんでした。


「ヘラクレスオオカブト!」

「だから、カブトムシの種類はもういいだーね!」


どうやら、またもちがうみたいです。


「渡さん、他の昆虫は何がいるか答えるだーね」


こんどは私が指名されました。


「ガブリエルです」

「それは白石先生の飼ってるカブトムシの名前だーね!いい加減、カブトムシから離れるだーね!!」
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