日吉君の隣の席の彼女

□#18
1ページ/3ページ

昼休みに服部と一緒に昼食を食べていた。
それにしても俺と食べるとき、何故服部の弁当はこうもキノコが多いのだろうか……?


「よぉ、日吉、服部」


珍しく、宍戸先輩がやってきた。一体何の用だろうか?


「その……服部に用があって」

「私ですか?」

「あぁ……その……」


宍戸先輩の顔が赤くなる。この人は毎回、服部で顔を赤くしている気がする。


「俺の……俺の弁当を作ってくれ!」


まるで公開プロポーズのように大声で宍戸先輩は言った。恥ずかしくはないのだろうか?


「……いいですよ」

「いいのか?!」

「はい。別に構いません」

「本当か!助かったぜ」


“助かった”という言葉に首を傾げる俺と服部。

宍戸先輩がいきなり服部に弁当を作ってほしいと頼んだ理由。それはクラスメートとポーカーをして負けたら“女子から愛妻弁当を作ってもらう”であった。

しかし、宍戸先輩は『俺が負けるわけねぇよ。もし負けたら2年の服部藤子から弁当作ってもらうぜ』と自らの売り言葉で自滅した。

相手がイカサマをバレないようにしたらしい。


「じゃあ、お弁当箱ください」

「あ、あぁ、これだ」

「じゃ、明日楽しみにしていてください」

「ありがとな。じゃあな」
.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ