日吉君の隣の席の彼女
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「おはよ、日吉君」
「おはよう。遅かったな」
「昨日は岳人先輩とジロー先輩が泊まっていって……」
「「「何!?」」」
あー、反応しちゃったよ、変態3人が。
「岳人、どういうことや!?」
「服部の家、学校から近いじゃん」
「服部さんと一つ屋根の下だなんて羨ましいですよ。ね、宍戸さん?」
「俺に振るな、長太郎」
「藤子ちゃん、なんで俺も呼んでくれなかったの?」
「2人ともいきなり押しかけてきたんで……すみません、滝先輩。また今度来てください」
「藤子、今度俺様も泊まりに行く」
「来たら警察呼びますから」
バスは出発し、目的地まで俺たちを運ぶ。
後ろでは眼鏡、向日先輩、宍戸先輩、鳳、滝先輩の5人がトランプをしていた。服部は芥川先輩と仲良く寝ている。アホベは資料を読んでいて、樺地はその横で何もせずただじっとしていた。
とりあえず俺も朝が早かった。寝よう……。
着いた。小説って便利だ。
荷物を持ってバスから降りる。集合場所にはどうやら1番乗りだったようだ。
しばらくしてから、もう一台バスがやってきた。
「着いたで〜。ここが合宿所や」
四天宝寺の渡邊監督が最初に降りてきて、その後次々とバスから降りてきた。
アホベは渡邊監督に挨拶してから、四天宝寺の部長である白石さんに声をかけた。
「よぉ、白石」
「跡部、3日間よろしく頼むわ……って、何やねん、あの子は!?」
「あーん?宍戸じゃねぇか」
「ちゃう!」
「じゃあ、ジロー」
「ちゃう!あの女子や!」
白井さんの視線を辿る……なかなか放れてくれない芥川先輩を剥がそうとしている宍戸先輩と服部……。