日吉君の隣の席の彼女
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10時、全員集合完了。
「仕切るのは俺だから」
幸村様、降臨。
「いいんですか?渡邊先生」
「おもろいからええんちゃう?」
あぁ、もうこの人駄目だ。ラジオと競馬新聞持ってるよ。
「あ、逆らう人いる?いないよね?いたらジャッカルとアイコラだよ」
「俺かよ!」
ジャックォゥさんも大変だな。
「じゃ、始めようか。まずは……」
基礎練習から始まり、打ち合い、簡単な練習試合。言葉にすれば簡単そうにみえるが、実際は普段の倍以上の練習量。休憩も交えながらやっているが、かなりハードだ。
「ドリンク置いときますね」
「ありがとう、藤子ちゃん。皆、休憩!」
服部もドリンクを届けるのは3回目である。
基礎練習(量はテニス部員と比べるとはるかに少ない)だけ参加した服部は、ドリンク作り、ボール拾いなどを手伝っていた。やはりマネージャーみたいなことはしたことがないのか、四苦八苦していた。
「あ、そうだ」
幸村さんがまた何か思いついたのか、服部を呼んで何か耳打ちしていた。そして服部は何故か樺地を連れて、建物内へ入っていく。
休憩が終わり、一度集合することになった。
「さっき藤子ちゃんと樺地君に、昼食に間に合うよう簡単なデザートを作ってもらうよう頼んだんだ」
それを聞いて、皆のモチベーションが少し上がる。疲れたあとに食べる甘いもの。確実に美味しいはずだ。
「でも、10個しか作ってくれないんだよねー」
あはは、と笑いながら言い放つ幸村さん。