日吉君の隣の席の彼女

□#25
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合同合宿1日目の夜は肝試しをやるそうで……。
なぜそんなことをしないといけないのだろうか。それはこの辺りで伝えられている話を聞いたからである。



合宿場の裏地は林になっており、奥に進むにつれお墓、そして古井戸がある。そこの古井戸には伝説があり、それぞれの思いを込めた花を夜に投げ込むと願いが叶うといわれている。

しかし、他にもその古井戸にまつわる話がある。昔、その伝説にあやかろうとした女性があやまって古井戸に身投げをしてしまった。

それ以来、やってきた人間を自分と同じ目に合わせようと、古井戸から這い上がって引きずり込もうとしているとか……。



という都合のいい話はおいといて。


「全員、くじ引いたか〜」


花は合宿前に注文してある。そして渡辺先生特製“オサムちゃんくじ”を引いて、27人を3人ずつ、計9つのグループを作る。

そんなに騒がしくない人と組みたい。そんなに変態じゃない人と組みたい。
こんな思いを胸に秘めながら、俺はくじを引いた。


「日吉君、何番?」

「2番。服部は?」

「9番」

「というわけは、最後か」
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