日吉君の隣の席の彼女

□#26
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『わかってるよね?』

『……何をだ?』


この言葉の意味は大浴場に行って、よくわかった。

この合宿所。合同合宿参加者の貸し切りとなっている。つまりは、ハメを外し放題できるというわけだ。


「服部、扉付近から約30cm」

「わかった!」


ヒュン、ゴスッ


桶が凄い速さで飛んできて、見事に眼鏡の顔面にヒットした。

普段より物凄いことが起きている。普段は変態どもを皆で抑えるが、今回はスケベども(10人以上)を相手にしないといけない。

とりあえず、覗こうと壁を攻略する奴らの位置を、的確に服部に言っていく。


「服部!中心辺りにカメラ付きのラジコンヘリが行ったぞ!」

「はい!」


ヒュン、ガスッ


真田さんが指示を出し、服部が的確に桶をラジコンヘリに命中させた。ちなみにこれは財前の用意したものである。

真田さんも常識のある人でよかった。伊達に老けていないな。


「幸村さん」

「何、日吉」

「なんとかしてください」


面倒くさくなってきたので、切り札を使って一掃しようとした。


「やだ。だって見てて面白いもん。モグラ叩きの変態バージョンじゃない?」


世の中、そんなに甘くはないようだ。

服部の変態との防衛線は、敵が全滅するまで続けられた。
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