日吉君の隣の席の彼女
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『わかってるよね?』
『……何をだ?』
この言葉の意味は大浴場に行って、よくわかった。
この合宿所。合同合宿参加者の貸し切りとなっている。つまりは、ハメを外し放題できるというわけだ。
「服部、扉付近から約30cm」
「わかった!」
ヒュン、ゴスッ
桶が凄い速さで飛んできて、見事に眼鏡の顔面にヒットした。
普段より物凄いことが起きている。普段は変態どもを皆で抑えるが、今回はスケベども(10人以上)を相手にしないといけない。
とりあえず、覗こうと壁を攻略する奴らの位置を、的確に服部に言っていく。
「服部!中心辺りにカメラ付きのラジコンヘリが行ったぞ!」
「はい!」
ヒュン、ガスッ
真田さんが指示を出し、服部が的確に桶をラジコンヘリに命中させた。ちなみにこれは財前の用意したものである。
真田さんも常識のある人でよかった。伊達に老けていないな。
「幸村さん」
「何、日吉」
「なんとかしてください」
面倒くさくなってきたので、切り札を使って一掃しようとした。
「やだ。だって見てて面白いもん。モグラ叩きの変態バージョンじゃない?」
世の中、そんなに甘くはないようだ。
服部の変態との防衛線は、敵が全滅するまで続けられた。