日吉君の隣の席の彼女

□#32
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「今度、六角中と合同練習がある」

「Zzz……」

「起きろ、ジロー」


夏休みになっても相変わらず部活はある。
今はレギュラーだけのミーティング中。アホベが芥川先輩を起こしながら、今度の土曜日の予定を発表した。

千葉県にある六角中。古豪と言われるほどの実力を持つ学校だ。今度の合同練習がとても楽しみに思う。


「午前中はテニスの練習だが、午後は近くの海で遊ぶこととなっている」

「「「おぉっ!」」」


当然テニスの方がメインなのだが、この皆のノリは絶対に午後の方がメインになっている。

そして海で遊ぶということは俺の予想だと……。


「ただ、男だらけのむさ苦しい空間で遊ぶのは華がねぇ。そこでだ、日吉!」

「服部なら行かないと思いますが」

「まだ何も言ってないだろ……だが、間違ってはいねぇ。それに誘う前に、藤子が行くかどうかなんてわかんねぇだろ」


自信たっぷりの笑みを見せながら、アホベは言った。


「今回は作戦を用意しておいた。名付けて“この役目はお前しかいない作戦”だ」


……ダサい。

とりあえず作戦内容を聞いてみた。アホベにしては上出来な作戦なんだが……


「俺じゃなくてもいいと思いますが」

「時期氷帝テニス部を背負う男の力量を測っておきたくてな。部員1人も動かせねぇんじゃ、上に立つ立場は荷が重すぎる」


だが、服部はテニス部員ではない。というわけは服部は動かさなくてもいい。

むしろ、そんな作戦を考えられるくらいならお前が行けよ、と言いたい。
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