日吉君の隣の席の彼女
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今日は服部に誘われて映画『四人の強者〜発〜』のプレミア試写会に来ている。
本当は彼女の兄が行く予定だったものの急な仕事で行けなくなり、その代わりに俺が行くことになった。
現在の時刻10時17分。試写会は11時なので少し時間を潰すことに。
「飲み物どうする?」
「買っておくか」
というわけで、たまたま近くにあったコンビニに入った。中はとても涼しく、日差しで熱くなった体を冷ましていく。
「あ、あっち見に行っていい?」
「ああ」
俺は目的のドリンクコーナー、服部はプリンなどがならんでいる洋菓子のコーナーへと足を向けた。
(お茶でいいか……)
500mlのお茶のペットボトルを取るため、扉に手を伸ばしたところ……
「「あ……」」
同じく手を伸ばした誰かと手が触れあった。誰だ、と思いその相手の顔を見る。
「青学の河村さん」
「氷帝の日吉じゃないか。こんにちは」
「こんにちは」
相手は青春学園の河村さんだった。相手は先輩なので、俺が手を引っ込めた。
「どうぞ」
「あ、ごめんね。日吉もお茶?」
「はい」
河村さんが扉を開け、お茶を2本取った。そのうちの1本を渡してきたので、お礼を言った。