日吉君の隣の席の彼女
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六角中との合同練習が終わった。なぜ、練習している場面を繰り広げないかというと、本当のメインはこれからだからだ。
「「「「「海だー!」」」」」
そう、海である。現在、氷帝・六角テニス部は六角中から一番近い海に来ている。
これは余談だが、練習終了後、全員が水着を着て海に行くことになった。
『服部さんはあちらの女子更衣室を使ってください』
服部はゴリラのような腕力を持ってはいるが女子であるため、葵に場所を案内されたあと、俺たちとは別の場所で着替えた。
『藤子ちゃん、どないな水着やろ』
変態眼鏡がニヤニヤしながら言った。
『日吉はどう思う?』
『興味ありません』
『そないな嘘言わんでもええ。男は皆、オオカミや』
『あなたと一緒にしないでください』
『鳳、なんか日吉が冷たいわ』
眼鏡の発言は急に俺が冷めたみたいな発言だったが、それは訂正しておく。俺はずっと以前から眼鏡に冷たい。
『きっと日吉は反抗したい年頃なんですよ』
『そうやな。それが人の成長やもんな……で、鳳は藤子ちゃんの水着、何やと思う?』
『えっ!?え〜と……その……』
鳳の顔がドンドン真っ赤になっていく。そして、
(ダメだ、俺には藤子をそんないやらしい想像できない!)
バンッ!
『おい、長太郎!?』
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