日吉君の隣の席の彼女

□#39
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さて、夏休みも残すところ半分となりました。そんな俺は日々テニスの練習に励んでいる。

それにしても、残暑だというのに暑い……。冷たいものでも食べたくなってくる。


♪〜♪〜


練習というさなか、あきらかに場違いなメロディーが流れる。


「おい誰だ、携帯を持ってきてる奴は?」

「悪ぃ、跡部。俺」


本当に悪いと思っていないだろう。向日先輩は鳴り止まない携帯電話を取って受話口を耳に当てた。


「おっ、もう来たのか!待ってるから、早く来いよ!」


向日先輩の会話で誰かが来るというのは明白だ。こんな暑い日にわざわざ来るとはご苦労なことだ。

それにしても、本当に暑い……。


ポン


誰かが俺の肩を軽く叩いてきたので、振り返った。


「服部……」

「こんにちは」


驚いた。普段の彼女なら変態がいるこのテニス部に来ることもない。
そして、服部が来たときいち早く反応するのが……


「藤子ちゅわぁぁあん!」


ドゴォォン


眼鏡が服部に抱きつこうとして殴られてぶっ飛ばされるのは、もはやこの話のお約束である。
そして誰も眼鏡のことを心配しないのも、あれだけ致命的な攻撃を受けといて眼鏡が死なないのもお約束である。


「よぉ、藤子。俺様に会いにきたのか、アーン?」


優雅に歩いてきたアホベ。もちろん、スルーするのがお約束である。
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