日吉君の隣の席の彼女

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次の授業が音楽のため、服部は屋上に行くと言った。


「日吉、私の愛しのマリアはどうした?」

「早退しました」

「そうか……夕方、家に電話をしておこう」


服部、家に帰ったらすぐに電話のコードを抜いておけ。

音楽の授業が終わり教室に戻るとき、服部と出会った。しかし、彼女だけではなくもう1人……服部がおんぶしている。

その人は俺もよく知っている人で……。


「服部、なんでお前が芥川先輩を?」

「屋上で後ろから抱きつかれた」


詳しく聞けば、屋上で芥川先輩を見た服部は、関わる前に教室に戻ろうとした。でも、芥川先輩が気づいて服部の後ろから抱きつき、放れてくれなかったようで……。

諦めて屋上で本を読んでいたら芥川先輩が抱きついたまま眠ってしまい、起きないし放れないから背負って芥川先輩の教室へ届けようとしていた、だそうだ。


「ジロー先輩のクラス、知ってる?」

「あぁ……俺も着いていこうか?」

「いいの?」

「あぁ。いつもテニス部の先輩たちが世話になってるし……」

「ありがとう」


笑顔で言う服部を見ると、先輩たちが好きになるのもわかる気がした。
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