日吉君の隣の席の彼女
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何事も週の始まりというのは清々しく始まってほしい。昨日の合同練習がいつも以上に疲れたからか、それを強く思った。
「おはよう、キノ……日吉君」
「お前、わざとだろ」
「何のこと?」
今、この女(服部)に対して軽い殺意を抱いたのは秘密だ。
あのあと、服部は立海の人達全員と携帯のアドレスを交換していた。憧れの柳さんのアドレスをゲットして彼女は喜んでいた。
「それより、昨日は立海の人とメールしたのか?」
「うん。真田さん以外と」
「真田さんとはしてないのか?」
「メール送ったけどエラーだったの。アドレスが存在しないって」
赤外線で送受信していたので本来エラーはありえない。
そういえば交換した後、幸村さんが真田さんの携帯をいじっていたような……。
「柳さんと遊びに行く約束したんだ」
服部がとびきりの笑顔でそう言った。
それはとてもいいことなのだが、そのとき俺は背筋がゾクリと動いた。何か嫌な予感がした。
『おい、服部藤子!今すぐに生徒会室に来い!今すぐだ!』
はい、スルー。
本鈴が鳴り、授業が始まった。
生徒会室にて
「藤子はまだか……」
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