日吉君の隣の席の彼女
□#13
2ページ/3ページ
そして昼休み、わざわざ部室に出向いてやった。授業が少し長引いたので、俺が最後だった。
アホベは全員いるのを再度確認し、話し出した。
「今日からテストの日まで俺様の家で勉強会を開いてやる。ありがたく思え」
最近、アホベは青春をテーマにしたDVDを鑑賞していると言っていた。大方、一緒に勉強会をするのに憧れでももったのだろう。友達いないから。
「しかし、男ばかりが集まってやるのも華がねぇ……そこでた、日吉」
「何ですか?」
「藤子をつれてこい。絶対だ」
無理だ。断られるに決まっている。
だが、つれてこられないならレギュラー落ちという理不尽すぎるペナルティ。俺は渋々承諾した。
服部に話せばもちろん、
「嫌」
「だよな」
「補習受けた方がマシ」
服部の気持ちはわかる。わかるが……
「俺としては来てくれないと困る」
「……なんで?」
「お前が来ないと俺はレギュラー落ち」
「……ズルい」
ハァ、と溜息をついてから服部は俺に条件を紙に書いて渡した。