□ブックタイトル
焼けた月

□執筆開始日
----年--月--日

□カテゴリー
小説
 創作

□概要
空からまた爆発音が響く
ばーん がらがら
これは月の焼けて
落ちて砕ける音
空は夕焼けみたいに
赤く染まっている
背中にしょった妹が
ずっしり重くて
僕はいびつに歪んだ月を
見上げることなく
荒れた野原を歩いてる
夜なのに空は赤くて
他に誰もいない
この星には僕と妹だけ
みたいだ
天上の箱舟と呼ばれた
空の上大きな星、月は
昔今僕が立っている星が
肺を腐らせる煙が蔓延
した頃メシアみたいな
扱いだった
多くの人が天上の月に
移住してその数は
どんどん増えて
天上の星は今終焉を
迎えようとしている
と僕は推測した
何故あの星が崩落して
いるのか居残り組の子孫
の僕にはわからない
ただひとつわかるのは
天上のかけらが落ちてきて僕たちの家が潰れて
しまったこと
体がところどころ痛い
けど遠くに行くことが
先決だ
行く場所はないが
潰れた家はめらめら
燃えて熱いから
ずいぶん歩いて
足が痛くなると
背負っていた妹を
そっと下ろして
空を見上げた
真っ暗な夜空に
こうこうと光る巨大な星
あの月の名前はなんだ
ったか
遠い昔に母から聞いた
ような気がする
他の星が見えないのは
天上の月が大きいからか
すでにこのいびつな月の
ように滅びてしまったからか
がらがら
落ちていく
いびつな月は
幼い頃見た
夕焼けみたいで
だから
僕は泣いたんだ

□読者へのメッセージ
読みにくくてすみません
永遠に見えるものの
終焉。


[戻る]
[TOPへ]





カスタマイズ