雷神様と百鬼夜行!

□雷神様と女郎蜘蛛
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 杯を受け取り零の隣に座った女郎蜘蛛は、縁側に脚を出し、裾が乱れるのも構わずに脚を組んだ。




「それで、どうだったの?」

「お前の読み通りじゃ。―――あの小僧、間違いなく“ぬらりひょん”の血を引いとる。奴の屋敷も妖怪だらけ………皆、弱そうな者ばかりじゃ。何故あのような者達が関東を占めれるんじゃか…」




 理解出来ない、と肩を竦めて頭を振った女郎蜘蛛の杯に酒を注ぎながら「やっぱりか…」と溜息した零。




「今の奴良組は衰退化しとる。奴良リクオ……どうやら三代目になることを突っぱねておるようじゃ」

「…そうなの?」

「ああ。連中の総会を覗いたが、反対する者が多数じゃ」




 総会を覗けたのか、と驚くが、それよりも気になったのは―――幹部が総大将の孫であるリクオを反対しているということ。




「いつ妖怪の姿になるかも分からん上に、昼はずうっと人間の姿………妖怪として誇りを持つ連中としては、面白くない情報じゃな。分からなくもないが」




 女郎蜘蛛は、くいっと杯の酒を飲み干した。
 ――そっ、か。奴良くんは三代目になることを拒否してるのか。

 零が内心で安堵していた時、女郎蜘蛛が酒の催促をしながら「のぉ、」と声をかけた。




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