雷神様と百鬼夜行!

□雷神様と陰陽師
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「やっぱり零さんは素晴らしい…!」

「……………」




 イマイチよく分からないよ及川さん……。

 及川さんは私の手を取り、距離をつめてきた。ていうか、手冷たい……彼女は雪女か何かなのかな?




「零さん、あのっ良かったら私と友達になって下さい!」

「…友達?私と?」

「はい!」




 予想外の言葉に、思わずキョトンとしてしまった。
 …友達………私と?しかも、妖怪の子と………。

 じっと真っ直ぐこっちを見てくる及川さん。その瞳は一直線に私を貫く―――かなり、純粋に、私と友達になろうとしているようだ。




「…いいよ。友達になろう」

「!! ほ、本当ですか!?……わっ、違う違う、リクオくーん!零さんとお友達になれましたー!」




 ぴょーん、と跳ねる程嬉しかったのか、及川さんは奴良くんに飛び付いていた。

 ………参ったなぁ……。
 女郎蜘蛛との約束…早速あやふやにしちゃったよ。後でなんて言おうか……怒ると怖いんだよね。


 そろそろ教室に戻るよー、と二人に声をかけ、先に歩き出した。

 これ以上関わるのは―――厳禁なのかな。


 ただ純粋に友達になって欲しいと言ってきた及川さんが嬉しくて、つい頷いてしまった。―――ああ、もう。

 人間と妖怪。
 どっちが悪いのか、

 分からない。





【雷神様と陰陽師】




(頭がぐるぐるする)




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