雷神様と百鬼夜行!
□雷神様と総会
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「―――全員集まったようだね」
行灯の蝋燭の明かりが部屋を照らす。
薄暗い中、上座に零が座り、左右に別れて一派の長達が座っている。それぞれが厳しい面持ちで零の方を見遣った。
乙姫狐がふさりと尻尾を揺らして問い掛ける。
「雷御前よ……鵺の復活が近いというのは真なのかえ?」
「確かな情報だよ」
「化け猫一座の報告なので、間違いないかと」
「ふん……なら良いのだが」
相変わらず喧嘩腰の女郎蜘蛛だが、口元を覆う扇子を握る手に力が入っているのが窺える。
「羽衣狐、ということは……奴良組も関わってくるだろう」
「? 何故彼らが出てくるのですか…」
山女の言葉に川姫が首を傾げた。
それに答えたのは、濡れ女。
「彼らはかつて羽衣狐と対決した。我々の目的は、あくまで鵺だが……京妖怪は中々に手練れだ。厄介だな」
「私達が総力を出せば敵ではないわ」
珍しく強気な言葉と口調で言った雪女。しかし、濡れ女は悩ましげに眉間にシワを寄せた。
「奴良組が羽衣狐を倒した時にはいなかったが、確か………土蜘蛛がいたんじゃなかったか?」
「……そういえばいたのォ、そんな奴……」
ぼそり、と小さく呟く女郎蜘蛛。
零がその声を拾い、女郎蜘蛛の方を見る。彼女は扇子を仕舞って煙管を取り出し、マッチに火をつけ火種に移して煙を吐く。
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