雷神様と百鬼夜行!

□雷神様と胸騒ぎ
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 ―――鳴神組の勢力は、全国を駆け巡ったとしてもかなりの人数にはならない。元々女子供の集まりでもある。

 しかし、一人一人の能力は随一だった。

 訳ありの集団とその頭領。
 その才能を疎まれた天才。
 独りになってしまった幼子。

 その精鋭中の精鋭が、各一派の頭領だ。


 元々は零の母、莱羅に惚れ込みついてきた者が多数だが、世代が変わってからは零について来た者も増えた。

 零について来た者は、まだまだ子供や若い人が多い。それでも座敷童子や川姫は一派の長を勤めるほどに実力がある。


 全国から鳴神組が集まるのを待っていた零は、言い知れぬ不安を感じていた。




「………………」




 ――何だろう、この言葉では言い表せれない感情は。

 眉間に皺を寄せて広間の上座に座っている零は、心の中に広がっている黒い靄のようなものが気になって仕方なかった。




「………こんな時に…」




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