逆説
□9
1ページ/5ページ
「黒曜に行ってくるぞ」
「…………いや自分に何で報告?」
そんな、子供が親に「○○まで遊びに行ってくるー!」「暗くなる前に帰ってきなさいねー」みたいな感じに。………まぁ、そんな可愛い理由じゃないだろうが。
「当たり前だ」
「読心術使わんとって。プライバシーの侵害や」
「……(ニヤリ)」
「(止める気ねーなコイツ)」
冗談はさておき。
「何でまた黒曜に。……黒曜って並中襲撃事件の犯人の根城やねんやろ?危なない?」
「そいつらに会いに行くからな」
「……物好きやな…」
「了平や獄寺がやられた」
子供特有の高い声が僅かに低くなる。
―――真剣な、表情。
「ツナも心情穏やかじゃねェ。それに9代目からの指令でもあるしな」
「………」
「黒曜の連中は一般人じゃねェ。完璧に“こっち”の人間だ。もしかしたら京子やハルも危ねェ」
「、何で笹川先輩に三浦先輩もやの…あの人らは関係ないんちゃうん」
「関係あるぞ」
リボーンはひょい、と軽い身体を自分の肩に乗せてきて、ペチンと頬を叩いてきた。
「オレらに関わった。それだけで理由になる」
―――理不尽としか、言いようがない。
関わっただけで狙われる?
関わっただけで殺される?
そんなの、虚し過ぎるじゃないか。
.