逆説
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『息抜きに皆集まるからお前も来い』
「お断りします」
リボーンに教えていないハズの携帯アドレス。零は何時もの倍程の仏頂面で、見えないリボーンに返事をした。
折角の日曜日。
リボーン達マフィア集団に邪魔されたくはない。
「他当たって。自分は今日のんびりすんねん。それじゃ」
リボーンの返事も聞かずに電話を切った。
携帯を机に置き、溜息を吐きながら髪を後ろに流した。
「……髪、伸びたな…」
ポツリと呟き、髪を一束指先で掴みジッと眺める。
いつか切らなければならないが、今切るのは勿体ない気がする。
部屋に置いてあった小説をとり、ベッドに腰を落ち着かせて読み出した。題名は『トイレの花子さんの秘密を曝け!』という何ともしょうもないモノだった。
緑茶を飲みながら読みはじめようとしたら――……
「零」
「、ぶふっ!!」
いきなり背後から祖父の声が聞こえた。
零の部屋は2階。
ベッドは窓に面しており、ドアは向かいにあるのに、背後の窓から声がした。
「ッゲホ、祖父ちゃん……どうやって上がってきたん!?」
「無論、指の力でだ」
「(んな馬鹿な)」
チラリと窓の外の壁を見れば、祖父が特別に作らせたトレーニング用の凸凹がある。そこから登って来たのだ。
……この筋肉ジジイ。
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