逆説

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 地下のアジトとやらに案内され、沢田先輩は肩に風穴が空いていて、すぐに治療へ回された。残された自分らは、リボーンからこの状況を知らされた。
 分からんかった単語がいっぱい出てきたけど(10年バズーカとかミルフィオーレやとか匣やとかいろいろ)………要は―――絶望的な未来にタイムスリップした、ってことらしい。




「そ、そんな……ッ」

「……っハルちゃん…」




 一緒に話を聞いてた三浦先輩が、真っ青な顔で呟いた。横で気遣かっている笹川先輩の顔色も悪い。

 ―――無理もない。

 自分達の未来が、血に濡れた荊道やったんやから。




「…ハ、ハル…ツナさんに会いたいです…!」

「……医務室だ。行ってこい」




 縋るような声に、リボーンが静かに出口を指す。
 すぐ出ていった三浦先輩と笹川先輩。残ったのは自分と山本先輩とリボーン(関係ないし雰囲気ブチ壊すけど、その全身タイツみたいな服はナニ?)。
 沈黙がその場に流れ、不意にそれを破ったのはリボーンだった。




「…オメー等は意外と落ち着いてんだな」

「ん?…そうでもないぜ。内心焦ってるしな」

「…右に同じく。ただ、泣いても喚いても帰られへんねや。今はこの状況を受け入れるしかないやろ」




 肩を竦めて言うと、リボーンが小さく笑って「零らしいな」と言う。………自分らしいって何スか。




「なあ、小僧」

「何だ?」

「……親父、も…やられたって本当か?」

「…………ああ」

「…そうか…」




 山本先輩は、滅多に見せない表情をしていた。
 怒りと、悲しみと、不安と、焦燥と、驚愕が混じったような……何とも言えない複雑な表情。




「何か…信じられねーな」

「…………」

「…そうも言ってられねーな!………お嬢ンとこの…玄さんも、やられちまったしな…」

「……………」




 ―――そう。
 自分の祖父ちゃんや祖母ちゃんも、殺された。

 自分の親族やから。
 ボンゴレ狩りは―――幹部に関わった人間を殺す。

 笹川兄先輩も連絡が取れず、沢田先輩のお母さんの連絡が取れず、ボンゴレの関係者が死んでいく。




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