頂物

□兄弟のような恋仲
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作ったばかりの焼き豆腐を包みに入れ部屋で食べようと中庭を歩いていたら隅っこにある草原に何かいる気配がして恐る恐る近づき草を掃い見てみると入学当初から名が知れていた一年の乱太郎がこっそり声を殺して泣いていた

乱太郎「・・・」

久々知「・・・」

この時久々知は思った、子供であれ一人此処に隠れて泣いているからにはこの子にもそれなりのプライドがあるのだろう、見られたくないところを見てしまい悪いなと思ったから久々知は聞かない言わない関わらない!一人にしてあげようとその場を去ろうとしたが


Σガシ!! 


乱太郎「どうしたのって聞いて!!(泣)」

久々知「Σ言いたいのかよ!!!」

久々知の服を掴み泣きじゃくる、もうここまできたら付き合うしかないと観念し乱太郎の隣に座る、取り出したハンカチで涙を拭いてやりながらどうしたと優しく話しかけると

乱太郎「この術ができなくて・・・グスン・・・何度も教えてもらったのに・・・」

聞けば授業で習った術がなかなかできなく何度教わっても成功しないため悔しくて泣いていたらしい

久々知「見せてみろ」

乱太郎「はい・・・」

言われた通り練習していた術をやってみせる

久々知「ここ、間違えてる、それにもっと力を抜いて」

乱太郎「こうですか?」

丁寧に教え後輩にアドバイス、おかげでできなかった術ができた、また何処が間違っていたのかもわかりさっきまでの泣き顔はどこへやらできたできたと大喜び、久々知も自分が教えたことによってこんなに喜んでくれたことにつられて笑顔になる


ぐううう〜


乱太郎「あ・・・」

久々知「ブハハ、なんだ腹空いたのか」

乱太郎「はい///」

久々知「焼き豆腐でよければ食うか?」

そう言いながら包みを開け串に刺さった焼き豆腐を一本差し出す

乱太郎「わー美味しそう、頂きますv」

お腹が空くほど此処で泣いて悩んでいたのだろうと久々知は思った、そしてあっとゆう間に食べ終えた乱太郎にもう一本あげればまた美味しそうに頬張る

久々知「美味いか?」

その返事にいままで以上の笑顔を向け

乱太郎「はい、美味しいです」







その時、まるで時が止まったように乱太郎の笑顔に魅入っていた

乱太郎「先輩?」

久々知「ああ、なんだ?」

乱太郎「教えてくれてありがとうございました、すみません、お時間とらせてしまって」

久々知「いや、気にするな、好きでやったことだから」

嘘ではない、話を聞きたくなければ逃げることも撒くことも可能だった、それをしなかったのは特に用事などもなかったから

乱太郎「お豆腐も美味しかったです」

久々知「またわからないことがあればおいで、教えてやるよ」

乱太郎「本当ですか!」

久々知「ああ」

乱太郎「わーい、ありがとうございます」
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