言魂
□足りないもの…
1ページ/1ページ
街を歩く。
いつもの江戸の町。
いつもの団子屋。
何一つ、違うことはない。
天人が歩いているのも、
チンピラ警察が仕事サボってんのも、
なんも変わらない。
だけど、一つ。
『何か』が足りない
シンと静まる部屋の中、
綺麗に飾られた、部屋の真ん中で、
静かに眠る君。
静かに手を取って、
握り締める。熱の通っていない、その掌。
街を歩いても、
団子食べても、
足りなかった違和感。
隣に足りない君のぬくもり
(この手を握り返してよ、じゃないと銀さん…)