小説
□バッテリー
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そんなサイテー野郎と会っちまった。
県大の試合をチームで見に行った時に、見つけられて大声で名前を呼ばれた。
あの時と同じ声で
「隆也!」
と・・・。
だからオレは三橋を誘った。
あんな奴に負けるものか。
オレは三橋の女房役だ。
アイツにいやという程教わった方法を使って、三橋との関係を強固なものにして、最高のバッテリーになってやる。
三橋とオレでアイツを負かしてやる。
でも、気がついていた。
三橋に抱かれていても、すぐにアイツと比べてしまう事を・・・。
アイツはこっちの事なんておかまいなしに、自分の都合だけで好き勝手に抱いていただとか、屈辱的な言葉を吐いて、オレを辱めて喜んでいただとか・・・。
三橋は優しい。
おどおどしながらも、オレを傷つけない様に優しく抱いてくれている。
「ふっ、み、三橋」
「う、うん?」
「はぁっ、オ、オレの事、信頼して、くれるか?」
「うんっ、もちろんだよ、阿部君」
「オレも、おまえに尽くすよ、うっ」
「あ、阿部君、阿部君、オレ、イく・・・、イっちゃうよ・・・」
「ああっ、オレも・・・」
三橋の熱を内部に感じた時に、オレ自身からも熱い白濁がほとばしった。
ほら、やっぱり、アイツじゃなくてもイけんじゃん。
三橋が、熱い目をして、ジッと見つめてくる。
「あ、阿部君、もう一回・・・、イイ?」
「ああ、何回でも気がすむまでしろよ」
−そして、アイツを忘れさせてくれよ−
end
2007.8.25