小説3

□また、あした
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「オレはお前がスキだよっ!」

「オレもっ、阿部君がスキだっ!!」

そう言って確認しあったのは、ついこの間なのに・・・



阿部君のうそつき・・・


◇◇また、あした◇◇


阿部君とはキスまでした。

阿部君も拒否しなかった。

唇をそっと合わせたら、びくっとしていたけれど、振りほどかずにいてくれた。

だから、オレを受け入れてくれたと思ってたのに・・・

あんな試合、見に行かなければ良かった・・・


そう。武蔵野と浦総の試合。

そこで、ハルナさんと阿部君が会って、その後、阿部君の態度がおかしくなって

気がついたら、謝られてた。

「ごめん、三橋」

って・・・



ハルナさんは阿部君が好きで。

阿部君もハルナさんが好きで。


でも、行き違いやすれ違いがあって、二人は違う道を歩き出して。

それなのに、そのはずなのに、またその道がひとつになってしまった。

「でも、オレがバッテリーを組むのは三橋とだから」

そう言ってくれた阿部君に、オレは頷くしかできなかったんだ。

恋では負けたけど、野球では勝ったんだって。

それが、オレの小さなプライド。


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