小説3
□野球の王子様
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◇◇野球の王子様◇◇
今日はタカヤと、オレの部屋でまったりデート。
オレの膝の間に座り野球雑誌を読むタカヤの頭に手をおいて、オレは飽きることなく、その髪を梳いたり撫でたりしていた。
「タカヤ。おまえんとこ、明日、新入生の歓迎会があんのか?」
「ああ、部活紹介ですか?」
「それそれ、さっき迎えに行った時に会った、おまえんとこの四番が言ってた」
「・・・・・」
「なんか、寸劇すっとか言ってたなー」
タカヤの肩がびくっと揺れた。
「タカヤ、女装するとか言って「しねぇからっ!」」
「ああ?」
「あんな、ジャンケンで決めたような役・・・」
唇を噛み締めているタカヤ。
よっぽど、やりたくねぇんだな〜。
タカヤの事だ。
あのピッチャーあたりを脅して、押し付けようとか思ってんだろう。
「なんだ、おまえ八百長する気か?」
「えっ?」
「ジャンケンだって、神聖な勝負だよな〜」
「っ・・・」
「スポーツマンなら、負けは負けで認めねぇとな」
「・・・・・」
だまりこくったタカヤを見て、オレは本題を切り出した。
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