パラレル
□悠 〜はるか〜 3
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悠〜はるか〜3
太陽神ラーがヌゥト女神に飲み込まれ、夜の帳が降りてくる。
部屋の窓からは、星の煌きが垣間見える刻限となっていた。
アキマルさんに点けられた炎はようやく静まり、先ほど、女官が食事を持ってきてくれたところだ。
パンに果物、ナイル川の魚、干し肉にワインまでついていた。
一人では食べきれないような料理が並び、申し訳なさに縮こまっていたら、アキマルさんがやってきた。
「どうしたの、タカヤ。余り食が進まないようだけど」
「あっ、アキマルさん。いや、こんなに立派な料理、食べたことがなくて」
「でも、おなか空いたでしょう?今まで、ろくなもん食べてないんだろうし」
「はい・・・、でも、なんでオレにこんなにしてくれるんですか?」
「そりゃー、タカヤはこれから働かないといけないから、体力つけないと」
「働く?」
「そうだよ、さっき教えてあげたでしょ?」
アキマルさんのその言葉に、先ほどの行為を思い出して頬が熱くなった。
「あの、やっぱり、あれ・・・」
「そう、迎えに来たから、早く食べて行くよ」
「え?」
「ハルナ王も今食事中だけど、寝所に連れて行くと言っておいたから。まさか、お待たせするわけにはいかないからね」
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