the another world(仮

□二の世界
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すると少女は強弱の定まらない声でこう答えた。

「わた…耳…聞こ…ない」

なるほど。見たこともない森に耳の聞こえない少女、おまけに自分は記憶喪失ときた。
俺は深くため息をついて、静寂な森を歩き始めた。


俺はあてもなく森を歩き続ける。鬱蒼と繁った木々に陽の光は遮られて、今が昼なのか夜なのかもわからない。俺は歩みを続けながら後ろをコソコソとついてくる少女を時々横目で見ながら、その度に小さくため息をついた。
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