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□逃げ出したい日常
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もう嫌だ……

こんなところにいたくない…




消えて




なくなってしまい…………










第一章 逃げ出したい日常













「名前さん!」




私は誰かに呼ばれ後ろを振り返った。




パシャッッ!




その瞬間目が眩むほどのフラッシュをあびた。



「やったー!名前さんの写真ゲットー!!」


『………』






写真、か…………



写真なんて嫌いだ








パシャッッ!!





またフラッシュを浴び今度こそ目を閉じた。




「アッハハ!!名前さん目ぇ閉じてるし!きっも!!アハハハハッッ!!」
その子がそう言った瞬間周りにいた子達も笑い出した。







あぁ


うるさいな……








『用事はそれだけ?私もう行ってもいいかな?暇じゃないんだ』





私は必要最低限の事を伝え、その場から離れようとしたが写真を撮っていた子が私の手を強く握っていて離れる事は、叶わなかった。





『………何…?』






目の前の女の子はニヤリと笑っていた。










怖い



怖い怖い怖い




目の前の女の子が怖い




何をされるんだろう何をするんだろ







だんだん心拍が速くなっている


体に嫌な汗が流れる


気持ち悪い


手の温もりが、温度が、人肌が









嫌だ





嫌だ!








イヤダッッ!!











私は手を振りほどこうとしたが如何せん私は体が弱く、そして力も弱かった。


だから振りほどくなんて出来るはずもなくあっさりと集団の真ん中に引きずられていった。










『、離して…!』







「怖いんでしょ?私が」






そうだよ怖いよ






「なんとか言いなよ」






怖くて声が出ないんだよ







「聞いてんの!?」








聞いてるよ










「うざ。殴ろうよ、こいつ」






いつも殴ってくるじゃない
意識がなくなるまで








ほら、


いつも通り私の脇腹を何回も殴り、私を踏み潰し蹴り飛ばし、カッターで皮膚を切り付裂く。


そこら中に私の血痕が飛び散っている


なんて綺麗……


口内が鉄分の味で一杯になった


あぁ、美味しいな…







血はなんて素敵……!!






私の目にうつるのは赤黒い一杯の赤 あか アカ …









「つまんねーよこいつ。またボーッとしてるぜ?」


「いつもだろ?殴り始めは怯えてるんだけどさ、殴ってからはボーッとしてるもんだから面白くねーよ」


「今日はこんぐらいにしない?血の跡残ったら大変だしね」




周りにいた人達は最後にと私を踏み付けてから教室からでていった。













『………………』








痛い




血に興奮して痛みを忘れてたらしい







あ、引かないでね


人には好き嫌いがあるでしょ?
それと同じだよ




私はたまたま血が好きなだけ








あ、こんな事考えてないで早く家に帰ってゲームしなきゃ







私は顔についた血を腕で拭いその血を舐めとった。

うん、美味しい




さぁ、帰ろう


血に濡れた教室はあえてそのままで

明日が楽しみだなぁ
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