本棚

□逃げ出したい日常
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バタンッ






『フー…疲れた…………』




私はクラスメイトに殴られてズキズキと痛む体を無視してPSPを取り出した。



『今日は何しようかな………』



ズラッと並んでるUMDを前に首を捻らせ考えた。



ちらっとハリーポッターのUMDが私の視線の端にうつる。





『そうだ…ハリーポッター見よう…!!』



私はPSPをベッドの上に投げ捨てハリーポッターのDVDを全部持ってきた。




『よし!ハリーポッター全部見よう!明日も休みだし調度いい!』




私はDVDをセットしてソファーに腰かけた。
再生ボタンを押して映像が始まった。




























『グズッズビーーッッ!!!ヒッグ、グス!!セブルス、死んじゃダメえぇぇえぇえええぇぇえぇええ!!!!!!!あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッッ!!!!!!!!!!!!!』





私は今ハリーポッターと死の秘宝PART2を見ていた。


時刻は朝を過ぎ、昼を過ぎ、もう昨日の夜から一日を過ぎようとしていた。
外は暗く道路を走る車の音や電車の音が響いていた。






『セブルス…………グズッ……』




物語りはもうエンディングに差し掛かっていた。


見ての通り私はセブルスが大好きだ。
賢者の石を見た時から私の気持ちはセブルスだけだった。
そりゃ、ほかのキャラも好きだよ?
シリウスとかリーマスとかピーターとかルシウスとか……………てか皆好きだけど、セブルスだけは皆より飛び抜けて好きなんだ。



だからセブルスが死んだ事実を知った私はショックで倒れ2週間病院で過ごした。

だからPART2の公開日に映画を見に行った日には鬱状態でフラフラしてて車に軽く惹かれ一ヶ月入院。





つまり精神的に弱いのである。


無視されただけでも気分は最悪で鬱状態になってしまう
ハリーポッターに出会う前はリスカでその苛々を沈めてきた。

だけどハリーポッターを、セブルスを知ってからはリスカはしなくなった。

だけど最近は我慢出来ず切ってしまう事が多数ある。

前より酷いかもしれない


前よりもっと深く


もっと多く





全ては血が見たいがため




私は小さい頃から血が好きだった。
わざと転んでは血を舐める
皆は気持ち悪いと怖がった。


病院に行き診察してもらったが得に異常はなかった。
そりゃそうだ
今思えば精神科に行けば異常が発見出来たかもしれない

当時は精神科という病院に抵抗を持っている人が多くいた。だからか思考から精神科という文字を無意識に消していたのだ。






そして小学校卒業と同時に両親が事故で他界。

中学からは両親の遺した遺産で一人暮らしを始めた。



私の病状はどんどん悪化していっていた。



精神状態が安定しなく日々、常に死にたいと思う事が増え、手首を切ってみたり、薬を大量に服薬したり、自分で首を絞めたり、壁に何度も頭を打ち付けたり、包丁を持って近所をうろついたりした。
涙は枯れ
体は傷だらけ
目は死に
生気もなく
一日中部屋に閉じこもり

そんな状態で5日目に突入した時…



私は倒れた





病院に運ばれ言われた病名は

『うつ病』





以外とすんなりとその事実を受け止められた

その日から精神科に通院し薬をもらう日々が始まった。

担当の先生は武田先生という男の人

男の人と聞いて最悪だな、と思ったがしゃべると結構大丈夫だった。
武田先生は口煩く、そして優しかった。

薬を大量に服薬した時はガミガミと怒られ、パニック状態になった時は優しく、強く抱きしめてくれた。
そして大丈夫、大丈夫…と何度も語りかけてくれていた。

少し悔しいけど、そんな先生が好き。

恋愛の好きじゃなく、家族愛みたいなものだ。


















『今日病院の日だったぁあぁああぁッッ!!!!!』





そう

今日は病院の日!!!!



ハリポタ見てて忘れてた!!!!




電話を確認しにいったら武田先生からの着信履歴が大量に入っていた。


留守電があったので聞いた。


「おい!なんで病院こねーんだよ!今日は診察日だろぅ!?名前がこねーんなら俺からいく!待ってろよ逃げんなよ!!」

プッ ツー、ツー、ツー………







『…………は?』




留守電の時間をみたら30分前

やばいもうそろそろくるんじゃ……





ピンポーン




きたああぁああぁあぁああぁあぁああぁあぁああぁあぁああぁあぁああぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

どうしようやばい


怪我直してない、体血だらけ、血付きティッシュの山、包丁カッターのコレクションも隠してない、薬の大量の飲み後のゴミも捨ててない!!!

とりあえずやばいやばいやばいやばい!!





ガンガンガンガンッッ!!!!!!
「開けろぉ!!!いるのはわかってんだぞぉおおお!!!」


ちょいおっさんよぉ…今、夜なんだが時間考えてくれよ!






私は急いで玄関に行き鍵を開けドアを開けた。
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