捧げ物
□Manyhappyreturnsoftheday
3ページ/4ページ
「はあっ、はあっ…え、炎真…だ、大丈夫?」
「はあっ、はあ…ツ、ツナくんこそ…へ、平気…?」
結局あの後、三時間もゴーストラビリンス(←お化け屋敷の名前)をさ迷うハメになった。
ずっと走りっぱなしで、気付けば外に出ていた。
よくもまあ、体力が続いたものである。
もうクタクタだ。動きたくない。
昼頃に来たので辺りはもう真っ暗だ。
「…あっ、ツナくん! 見て、あそこ!」
「え…うわぁ…!!!」
炎真に言われるままに見てみれば、そこには綺麗に飾られたクリスマスツリーがあった。
まだクリスマスには大分早いが、辺りが暗い今、そのツリーは暗闇に映えてキラキラと輝き、とても綺麗だった。
「…今日は散々だったけど、楽しかったね」
「うん! 今度はクリスマスシーズンに来ようよ! きっと雪も降って、もっと綺麗だよ!」
「うん!」
リボーンが来てから波乱続きで、毎日散々だったけど、楽しかった。
リボーンが来なければ、きっとこうして炎真とツリーを見ることも出来なかったのだ。
今度のクリスマスには去年より少し高い珈琲豆でも贈ろうかな…
いつだったか覚えた英語をふと思い出して、そっと…その意味を噛み締めるように、呟く。
「…Manyhappyreturnsoftheday」
―――今日のこの良き日が、何度も巡ってきますように。
こうして騒がしいけれど賑やかで楽しい日常を、また迎える事が出来ますように。
それが俺の、願いです。
終わり